残念ながら、監督作「夏空と銀色のブローチ」は上映の機会を逃しましたが、私がフランスで製作を行っている長村ひかり監督「マミーへのラブレター」が11日14:00-16:00にオンラインシンポジウムが行われます。
ブログをご覧になっている方はぜひ参加してください。
概要
2018年10月24日、ある日本人女性が家族に見守られながら静かに息を引き取った。享年90歳。 彼女の名前は加瀨千惠子。空手の師範である夫、そして二人の幼い娘と共に1967年 にパリに居を移して以来、半世紀以上の時を異国の地フランスで過ごしてきた。ヨーロッパ で空手を普及させる夫の活動を支え、夫を亡くした後もヨーロッパ中に散らばる弟子たちをパリから見守った。そんな彼女に2018年、一時帰国した日本で癌が見つかる。そして治療の甲斐もなく、パリに二度と戻れぬまま、彼女は帰らぬ人となった。パリの彼女のアパート は綺麗に整頓されたまま残されている。パリで彼女の帰りを待っていた友人たちも、彼女死を実感する間もなく、コロナ禍でそれどころではなくなってしまった。コロナウィルスにより世界は一変してしまったが、彼女のアパートにあるカレンダーは2018年のまま、時間が止まってしまっている。しかし、彼女はもうここにはいない。50年間の実存の痕跡を、残されたものはどれほど掴むことができるのか。彼女の不在を見つめることで、「彼女が生き ていたこと」に想いを馳せる。
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